痩せたいなら脂質はいらない?脂質の役割・ダイエット中の脂質のとり方について解説

ダイエット

脂質制限ダイエットって有名ですよね。名前のとおり脂質を制限して痩せよう!というダイエットです。
ダイエット中は、揚げ物やファーストフード、ポテチなどの 油っぽい食べ物を控えるのがセオリーとされています。

モルモット
モルモット

油っぽい食べ物は太るから
ダイエット中は絶対食べちゃダメだよね…

たしかに 油っぽいもの=太る という概念は誰しも持っていて、脂質を控えれば痩せる!のと考えがちです。ですが、脂質は太る要因であっても、決していらないものではありません
むしろ、健康的に痩せるためには、うまく管理しながら 食事に脂質を盛り込むことが大事です。

今回は、脂質の役割、脂質で太る理由や、脂質について知っておきたい知識を整理したあと、ダイエット中どのように脂質をとればいいのかについて解説します。

ダイエットを始めて、脂質の管理に困っている方、脂質制限が気になる、実際に脂質制限をしてみて体調を崩してしまった方など、私 モル子が脂質について学んだ内容をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

脂質の役割

脂質は、糖質やタンパク質とならび 三大栄養素のひとつとされています。
三大栄養素と呼ばれていることもあり、健康的な身体をつくるために、脂質は大事な栄養素です。

そんな脂質の役割は、身体のエネルギー源となること、そして身体の細胞膜をつくる材料になることです。

  • 身体のエネルギー源となる
     
    脂質は 糖質とともに、身体を動かすエネルギーの源です。

    1gの糖質が持つエネルギーは4kcalですが、1gの脂質が持つエネルギーは9kcalと、約2倍のエネルギーを作り出すことができ、効率のよいエネルギー源といわれています。
     
  • 身体の細胞膜をつくる材料になる
     
    脂質は、細胞膜を構成する成分としても重要な栄養素です。

    私たちの身体は、細胞を基本単位として構成されています。
    その細胞ひとつひとつを区切る仕切りのようなものが細胞膜であり、脂質を摂ることで細胞膜が構成され、細胞を形作ることができます。

    細胞膜は、細胞に栄養を摂り込んだり、反対に老廃物を排出したりする役割があり、脂質が不足して機能が衰えると、肌荒れなどの原因にもなります。

〔参考〕守口徹(2020)『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』日本文芸社

脂質で太る理由

Image by (Joenomias) Menno de Jong from Pixabay

身体にとって 重要な役割をもつ脂質ですが、必要以上に摂りすぎると肥満に繋がります。
脂質によって太るのは、以下のような理由です。

  • 脂質のせいで カロリーを摂りすぎる!
     
    三大栄養素のうち、糖質・タンパク質は 1gあたり4kcalであるのに対し、脂質は1gあたり9kcalとカロリーが高めです。
    同じ量を食べたとしても、糖質・タンパク質より、脂質の場合 2倍近いカロリーを摂ってしまいます。

    消費カロリー以上に摂取カロリーを摂れば、消費されず余ったエネルギーが体脂肪として蓄えられます

    また、糖質と比べて 脂質はエネルギー効率に優れる(脂質は同じ量でも2倍のエネルギーを保管できる)ため、エネルギーの貯蓄に適しています。
    そのため、糖質の方が先に身体のエネルギーとして先使われやすく、残った脂質が体脂肪として貯蓄されます。

  • 太りやすい脂質は蓄積しやすい!
     
    脂質には、以下のように太りやすい脂質と太りにくい脂質があります。
      常温で固体の脂 ➡ 太りやすい
      常温で液体の油 ➡ 太りにくい

    固体の脂は、体内で固まりやすく 脂肪細胞に蓄積されやすいです。
    一方 液体の油は、体内でもサラサラしており、エネルギーとして消費されやすいそうです。

    このように、同じ量の脂質を摂るにしても、肉の脂身のような固体の脂ばかり食べていると太りやすくなります。

〔参考〕守口徹(2020)『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』日本文芸社

知っておきたい脂質の知識

脂肪酸の種類

脂肪酸とは、脂質の主な構成要素です。
たとえば、一般的な脂質である中性脂肪は” グリセロールという物質+脂肪酸3つ “という構成をしています。

そんな脂肪酸には、以下のような分類があります。

  • 飽和脂肪酸
    飽和脂肪酸は、常温で固体の脂が多く含まれます。身近な食品に含まれており、過剰摂取になりやすいです。
    特に、肉の脂に含まれるパルミチン酸・ステアリン酸は、身体に溜まりやすい構造で、摂りすぎると動脈硬化などのリスクが高まります。

    【食品と成分 例】
     ●乳製品(バター・チーズなど)➡ 酪酸
     ●肉(牛脂・ラードなど)➡ パルミチン酸・ステアリン酸
     ●ココナッツオイル・パーム油など ➡ ラウリン酸・ミリスチン酸
     
     
  • 一価不飽和脂肪酸
    不飽和脂肪酸のうち、一価不飽和脂肪酸は、常温で液体の油が成分です。酸化しにくく、熱に強いという特徴があります。

    【食品と成分 例】
     ●オリーブオイル ➡ オレイン酸
     ●マカダミアナッツオイル ➡ パルミトレイン酸
     
     
  • 多価不飽和脂肪酸
    不飽和脂肪酸のうち、多価不飽和脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸を含みます。魚油に含まれるEPA・DHAや えごま油に含まれるα-リノレン酸などは、オメガ3系と呼ばれ、身体にいい希少な油です。

    【食品と成分 例】
     ●大豆油・コーン油など(米・小麦にも)➡ リノール酸
     ●えごま油など ➡ α-リノレン酸
     ●魚油 ➡ EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)

〔参考〕守口徹(2020)『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』日本文芸社

オメガ〇系とは

不飽和脂肪酸は、さらに オメガ〇系という種類に分けることができます。
なかでも重要なのが、オメガ3系(n-3系脂肪酸)と、オメガ6系(n-6系脂肪酸)です。

オメガ3系とオメガ6系は、どちらも多価不飽和脂肪酸に該当します。
両者の違いは以下のとおりです。

  • オメガ3系(n-3系脂肪酸)
    … EPA・DHA・α-リノレン酸
    (魚油・えごま油など)
     
    細胞膜を柔らかくする。
    細胞が柔らかいことで、膜の柔軟性・透過性が適切に保たれ、細胞の栄養補給や老廃物排出が適切に行われる。血液がサラサラになり動脈硬化を防止する効果や、抗炎症作用を高める効果がある。
     
     
  • オメガ6系(n-6系脂肪酸)
    … リノール酸
    (大豆油・コーン油など)
     
    細胞膜を固くする。
    細胞膜を固くすることで、細胞の内容物を保ちつつ壊れないようにする。過剰に摂取すると、炎症や血栓ができやすく、動脈硬化のリスクが高まる。

オメガ3系とオメガ6系は 反する役割をもつため、どちらかに偏って摂取すると、細胞膜のバランスが崩れてしまいます。

一見、オメガ3系の方が優れて見えますが、オメガ6系の、細胞を壊れないように適度に膜を強化する役割も重要です。両者をバランスよく摂る必要があります。
 
 
〔参考〕守口徹(2020)『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』日本文芸社
〔参考〕100秒でよめる・できるマガジン(博報堂健康保険組合 博報堂けんぽ)「脂質はバランスが鍵。4:1の法則で健康に」〈https://www.hakuhodo-kenpo.or.jp/special/business_life/post/19/index.html〉… 2025年3月26日に参照

トランス脂肪酸とは

不飽和脂肪酸のなかで、トランス脂肪酸と呼ばれるものがあります。
不飽和脂肪酸を化学処理によって固体化したり、消費期限を延ばすために酸化しづらく加工すると、その過程でトランス脂肪酸が発生します。

このトランス脂肪酸は、心臓に蓄積され、心臓病や糖尿病のリスクを高めるといわれています。
マーガリンやショートニングに含まれており、ショートニングはケーキやクッキーなどの焼菓子、スナック菓子などを作る際に使われます。

加工された油脂であるトランス脂肪酸は、身体に悪く 危険性も高いため、注意が必要です。
 
〔参考〕守口徹(2020)『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』日本文芸社

ダイエット中の脂質の摂り方

ぱくたそ[ https://www.pakutaso.com

脂質摂取量の目安

1日に摂るべき脂質の量は、1日に摂取するカロリーのうち、20~30%のカロリーを脂質から摂ることが適正とされています。
 
〔出典〕厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 / pp.108 …2025年3月27日に参照

たとえば、女性の方で 1日1800kcalのカロリーを摂取する場合、以下の摂取量が目安となります。

〈 1日1800kcalを摂取するなら 〉
●1800kcalの20~30%
 ➡ 360~540kcal を脂質で摂取

●脂質は1gあたり9kcalなので、
360~540kcal ➡ 40~60g が摂取目安

ダイエット中の 1日に必要な摂取カロリーは、消費カロリー以下となるよう設定するのがおすすめです。

消費カロリーは性別や体型、身体活動レベル(日常生活での活動の度合い)などによって変わりますので、こちらの記事を参考にし計算してみてください。

意識すること

健康的にダイエットするために、以下のことに意識しましょう。

  • 完全に脂質をカットしない
      
    脂質は、身体のエネルギー源であり、細胞膜を構成する大切な栄養素です。

    必要以上に摂取すると肥満になってしまいますが、逆に脂質が不足すると、体力の低下、肌荒れ、内臓機能の低下、血管の劣化など、身体にとって害をもたらすこともあります。

    あくまでも、必要最低限の脂質は食事で摂取できるよう管理しましょう。
     
     
  • 固体の脂を摂りすぎない!
     
    常温で固体の脂、たとえば牛脂やラードなどの肉の脂や バターなどの動物性油脂は、液体の油に比べてエネルギーとして消費されづらく、身体に体脂肪として蓄積しやすいです。

    お肉はタンパク質としても毎日食べるものかもしれませんが、脂身を食べ過ぎたりしないように注意しましょう。

    魚油は動物性油脂ではありますが、常温で液体の油のため エネルギーとして消費されやすく、太りにくいです。週に何日か、お肉を魚に置き換えるのがおすすめです。
     
     
  • オメガ3系を意識して摂る!
      
    現在の食文化は、魚・野菜を中心とした和食から、肉・加工食品を中心とした食事に変化していたため、オメガ6系脂肪酸の摂取量が増えつつあります。
    オメガ6系は、外食や惣菜・お弁当、冷凍食品などに含まれていることも多いので、知らないうちに摂取しがちです。

    オメガ6系に偏った食事では、炎症や血栓ができやすく、動脈硬化のリスクが高まるなど、問題があります。

    そのため、オメガ3系を含む魚の油(EPA・DHA)や えごま油(α-リノレン酸)を積極的にとることで、オメガ3系と6系のバランスをとることが大切です。

    調理で使いがちなサラダ油はオメガ6系を含むので、ゆでる・蒸すなど、調理方法を工夫してもよいと思います。
     
     
  • トランス脂肪酸を避ける!

    加工された油脂であるトランス脂肪酸には、心臓病や糖尿病などのリスクを高めるため、身体にとって害しかありません。

    マーガリン、ケーキやクッキー、スナック菓子など、とてもおいしいもので溢れていますが、日常的に食べたりせず、摂取を控えることをおすすめします。

まとめ

今回は、脂質の役割、脂質で太る理由や、脂質について知っておきたい知識を整理し、ダイエット中どのように脂質をとればいいのかについて解説しました。

脂質の管理は、痩せるために!というよりも、将来的に健康でいるために!という目的が適するかと思いますが、ダイエット中は食事制限で栄養素が偏りがちなので、健康的に痩せるためにも しっかり意識するべきだと感じました。

「良質な油は魚!魚を食え!!」とよく聞きますが、たしかに私も 日頃の食事でオメガ3系は全然摂取できていません…。というか、オメガ6系が身近すぎて、本当に意識しないと不足するのは当然だな と思います。

脂質について勉強してみて、週に数回は魚料理を食べること、あとはダイエット中なので当然ですが、トランス脂肪酸である焼き菓子・スナック菓子を排除することを習慣化したいです。

モルモット
モルモット

いい油で健康的にダイエットするぞ!!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました